ハイパワーかつスムーズな加速感。坂道もラクに登れる電動キックボード「Jasion J-Board」

掲載日/2024年2月29日
取材協力/Jasion Japan
写真/稲垣正倫、取材、文/伊澤侑花
構成/バイクブロス・マガジンズ

シェアサービスの普及により、買い物や通勤など移動の足として新たに注目を集めているのが電動キックボードだ。16歳以上であれば免許不要で乗車が可能。運転操作は簡単で、ガソリン代もかからないなど、気軽に乗れる利便性の高さが人気に火をつけている。今回は新たに発売を開始した電動キックボード「Jasion J-Board」をご紹介。その特徴と試乗インプレッションをお届けする。

500Wのハイパワーモーター搭載。
1秒で走れる・折りたためる扱いやすさ

電動キックボードは元々原付と同じ扱いだったが、2023年7月1日に道路交通法の一部が改正され、特定小型原動機付自転車に分類された。これにより16歳以上は免許不要、走行場所は車道・自転車レーン・歩道(条件付き)と範囲が広がり、自転車に近い感覚で移動できるようになった。今回紹介する電動キックボード、Jasion J-Boardも法改正が適用された車両の一つ。アメリカで電動自転車の販売を拡大している「Jasion」が新たに発売したもので、日本では正規輸入販売店Jasion Japanで買うことができる。

そのスペックを見ると、500Wのハイパワーモーターを搭載し、傾斜角度20°の坂道も楽に登ることができる。また、歩道用のエコモードと公道用のパワーモードの2つの走行モードがあり、それぞれの最高速度はエコモードが5km/h、パワーモードが19km/hとなっている。制限速度より1km/h低い設定にすることで、法改正に対応するだけでなく、走行時の安全性を高めている。バッテリーの充電時間は4.5時間で満充電で最長35km継続して走ることができるという。タイヤサイズは大型の10×2.5インチと大型かつワイドで、前輪にはドラムブレーキを、後輪にはディスクブレーキを装備している。

また、バックミラー・クラクション・フロント/リヤウインカー・フロントライト・最高速度表示灯・後部反射器・テールランプ・ブレーキランプという、公道走行に必要な付属品が全て標準装備されているため、自分で部品を追加購入したり、取り付けないといけないという心配もない。

最大の特徴は折りたたみやすさと、そのコンパクトさだろう。折りたたみ方は前輪上部についているロックレバーを外して折りたたみ、ハンドルについている金具を後輪部分にひっかけるだけ。その時間は約1秒。工具も使うことなく、簡単に折りたたむことができ、家での収納や車への積載に手間がかからない。

折りたたみサイズは1130×590×520(mm)。フォルクスワーゲンのゴルフヴァリアントのトランクに入れて、このサイズ感だ。車に積んで運ぶことで、旅先や出張先での移動の足として、またアクティビティとして活用することができる。

通常のバイクとは異なり親指で操作するスロットル。電源のオン/オフは電源ボタンを2秒長押しすることでできる。

ハンドル左側にはウインカーとクラクションのスイッチがついている。Makuake購入するともらえるスマホホルダーの取り付けも可能。

さらに細かく見ていこう。アクセルは一般的な電動キックボードと同じ。握った時に右手の親指が当たる部分にレバーがついており、これを下に押すことでアクセルが開く仕組みだ。一方、ハンドル左側にはウインカーとクラクションのスイッチがある。位置は少し低めのため、グリップから手をずらして操作することになるだろう。なお、ブレーキ操作は自転車やスクーターと同じで、前後ともにブレーキレバーで操作する。

ディスプレイでは走行モード・速度・走行距離・ブレーキ灯・左右ウインカー・バッテリーゲージを確認することができる。

ディスプレイに付いているUSBポートでスマホの充電が可能。

ディスプレイでは速度や走行モードなどが確認できる。USBポートが付いているため、ナビやマップを起動させながら走行する時も、スマホの電池の減りを気にせずに使用することができる。

ステップの幅は18cmと広め。表面には滑り止め加工がされているため、凸凹している道やコーナーでもしっかりと踏ん張りが効き、安定感を感じられるだろう。

バッテリーは着脱式。専用の鍵を使ってロックを解除し、取り出すことができる。マシンに装着したまま充電をすることはもちろん、バッテリーをコンセントのある場所に持って行って充電することもできる。

スムーズな加速と車体の安定感

実際に乗ってみてまず感じたのは、加速のスムーズさだ。モーター特有のダイレクトなトルク感というよりは、徐々にパワーが高まっていくスムーズな加速感のため、初めて電動の乗り物に乗る人でも安心してアクセルを開けられる。とはいえ、操作がダルいわけではなく、アクセルのスロットル開度に対してリニアに反応してくれるため、加速の感覚が掴みやすく、アクセル開度に対して予想以上のスピードが出るというような、感覚のズレによる怖さを感じることもなかった。モーターのパワーをより実感するために、あえてスピードを落とした状態から傾斜が20°ほどある坂道を登ってみたが、登り始めでもたついたり速度が落ちるということもなく、スイスイ登っていくから驚いた。なお、歩道ではエコモードに切り替えて走行する。最高速度の5km/hは思った以上に遅く感じるが、スピードが遅いことで車体が不安定になることはなかった。

フロントにドラムブレーキ、リヤにディスクブレーキを採用しているため、ブレーキの制動力が高いのも安心できるポイントだ。ただし、制動力がある分、少しレバーを握っただけで強めにブレーキがかかるため、乗り始めはゆっくりとレバーを握り、感覚を掴むと良いだろう。

大径の10インチタイヤを使用しているため、凸凹した道でも安定感がある。段差も2cmほどの高さまでなら問題なく乗り超えることができた。また、ステップ幅が広いため、足場を窮屈に感じることはなかった。

J-Boardの総重量は21kg。腕力のない私でも、折りたたんだ状態で持ち上げることができた。電動キックボードは街中だけでなく、旅先や出張先、キャンプ場などでの足としても活用できるため、どこへでも持ち運びやすい軽さは魅力的だ。また、マシンを押して歩く時もさほど重さを感じることはなかった。街中で気になる場所を見つけたら、キックボードを降りて押しながら散策してみるという楽しみ方もできるだろう。

なお、専用輪行バッグに収納することで電車内などにも持ち込むことができる。折りたたむ構造上バッグからミラーが飛び出す形となるが、バックのおかげでかなり持ち運びやすくなる。

気になる一般販売予定価格は14万9000円(税込)と、なんと15万円以下で手に入れることができる。現在は一般発売にあたりMakuakeにてクラウドファンディングが行われている。超早割はすでに完売しているが、早割では52%オフの7万2000円(税込)で、マクアケ割なら46%オフの8万1000円(税込)で購入可能。今なら割引を使ってかなりお得に手にいれることができる。いずれも2024年6月末までに手に入るという。移動の足として電動キックボードを検討している人はこの機会をぜひ掴んでほしい。

INFORMATION

住所/東京都渋谷区東2丁目17番11号
メールアドレス/support@jasionbike.jp
営業時間/月曜~金曜 10:00〜17:00 (祝祭日、年末年始等弊社休業日を除く)